「シュエサンドー・パゴダ(Shwesandaw Pagoda)」は、バガンにある高いパゴダのひとつで、テラスからは広いバガン平原と林立する数々の寺院を望む見素晴らしい眺めです。日の出、日の入りの展望スポットとしても有名です。
1057年、バガン王朝の創建者であるアノーヤター(Anawrahta)王によって建立されたシュエサンドー・パゴダ。当時、アノーヤターは、仏教の教えを広めるために、モン族のタトゥン国のマヌーハ(Manuha)王に仏教の教えが記された三蔵の経典を求めました。しかし、マヌーハはその申し出を拒絶したため、1057年、アノーヤターはタトゥン国に侵攻します。
タトゥン国征服に成功したのち、アノーヤターはパガンに帰還すると、タトゥン国から持ち帰った仏陀の聖髪を祭るために、このシュエサンドー・パゴダを建てました。
高さ約100メートル、方形の基壇には5層のテラスがあり、大きなベル形の仏舎利塔が立っています。全体を白く塗られた対称の構造になっていて、仏舎利塔の尖塔には、階層状になった金色の「hti(ティ)」が飾られています。(建立当時のhtiは、1975年の地震の際に落下し、現在は塔の隣の建物に保管されています。)
かつて塔のテラスの角は、象の頭を持つヒンドゥー教の神、ガネーシャ(ビルマではMaha Peinneと呼ばれる)の彫像で装飾されていたそうで、そのため、地元の人々の間では、”ガネーシャ・パゴダ(Maha Peinne Pagoda)”として知られています。
仏教が伝来する以前、バガンではガネーシャのようなヒンドゥー教の神が拝まれれていたと言われています。このシュエサンドー・パゴダのガネーシャの装飾は、地震によって壊れてしまったのか、行為的に壊されたのかは、分かっていないようです。
現在は、日の出・日の入りの時間になると、たくさんの人が集まります。私は日の出の時間に合わせて訪れました。テラスまでの階段は、歩幅が狭くてかなり急になっています。手すりに掴まりながら、恐る恐る階段を上がっていきました。
テラスに到着すると、ライトアップされたアーナンダ寺院を見ることができました。
この日は雲が多かったので、綺麗な日の出を見ることができませんでしたが、少しずつ太陽の光に照らされて、明るくなっていくバガン平原を眺めながら、自然と信仰の密接さのようなものをあらためて感じました。
日の出の時間だけではなく、バガン平原を一望する素晴らしい眺めを堪能できました。
今回は、日の出を見るために、馬車の運転手さん(騎手さん?)にAM4:00にホテルに迎えに来てもらいました。ニャウンウーからシュエサンドー・パゴダまでは、約5kmの直線的な道路なので、自力でも行けるかもしれませんが、日の出前はかなり真っ暗な箇所もあったので、心配な人はガイドさんや馬車を前日に手配することをオススメします。
・Shwesandaw Pagoda(Wikipedia)