パリを訪れたら、必ず行きたい場所のひとつ、世界的に名高い絵画や彫刻を多数所蔵している世界最大級の美術館「ルーヴル美術館(Musée du Louvre)」。世界で最も入場者数の多い美術館としてもその名が知られ、世界中から毎年800万を超える人々が訪れています。
セーヌ河岸を歩いて、パリの景観を堪能しながら、ルーブル美術館に向かいました。ユネスコ世界遺産に登録されている「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」は、シュリー橋からイエナ橋までのおよそ8kmほどが対象となっていて、ルーブル美術館も包括登録されています。
もともとルーブル宮殿は歴代フランス国王の王宮とされていましたが、1682年、ルイ14世がヴェルサイユ宮殿を王宮として選んだことによって、古代彫刻などの王室美術品コレクションの収蔵、展示場所となりました。ルーブル宮殿が美術館として一般公開されたのは、フランス革命後1793年のことです。
そして、ルーブル美術館のメインエントランス、パリの代表的な建造物にもなっているガラスのピラミッド。1985年から1989年にかけて行われた「グラン・ルーヴル・プロジェ」つまり「大ルーヴル計画」という大改築のときに造られました。
5年ぶりに訪れるルーブル美術館。初めて訪れたときは、ガラスのピラミッドに入口があることに驚いたり、ピラミッドの下に総合案内所やチケット売り場があるナポレオンホールという空間が広がっていたことに胸が高鳴りました。
すべてをじっくり見ようとすると一日あっても足りないので、見逃せない作品は事前にチェックして、あとは母と私が共通して好きなヨーロッパ絵画、古代ギリシア・古代ローマ、彫刻部門を丁寧に見ることにしました。
突然、話は逸れますが、芸能人や著名人など自分が誰かに似ているという話になるとき、いくつか名前が上がる中で、人生で3、4度ほど似ていると言われた方がいらっしゃいます。
『モナ・リザ』です。レオナルド・ダ・ヴィンチ作。
初めて言われたのは高校生のときで、いつか本物のモナ・リザ様にお会いしたいと憧れていました。そして、5年前に初めてルーブル美術館を訪れました。さすが世界的に有名な『モナ・リザ』はたくさんの人に囲まれていて、とにかく一番前で見たいとドキドキしながら前へ前へと足を進めていきました。そして、いよいよご対面のとき。
衝撃の美しさに息を呑みました。全体的にヌボーっとした印象を持っていましたが、実際には柔らかさの中にシャープさを兼ね備えていて、えも言われぬ美しさの『モナ・リザ』に心が震えました。”本物に触れる”ってこういうことなんだと、あらためて実感した瞬間をよく覚えています。そして、5年ぶりに再会したモナ・リザ様は、相変わらずの美しさで微笑んでいらっしゃいました。
『民衆を導く自由の女神』ウジェーヌ・ドラクロワ作
『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』ジャック=ルイ・ダヴィッド作
その他にも、『レースを編む女』フェルメール作、『グランド・オダリスク』アングル作、『殉教した娘』ドラローシュ作、『マリー・ド・メディシスの生涯』ルーベンス作等々、書ききれないほど大好きな本物の絵画を堪能して、続いても魅力的な作品が多い彫刻部門へ。
『モナ・リザ』と同じく、ずっと本物を見てみたいと思っていたアントニオ・カノーヴァ作『アモルの接吻で蘇るプシュケ』とも再会。溜め息の出る美しさです。完璧。
射られた人を恋に落とす矢を持つエロス(=恋の神アモル)が、その矢を自分に刺してしまったことで人間の娘プシュケに恋をしたという有名な神話がモチーフになっている作品です。
『ミロのヴィーナス』メロス島出土
『サモトラケのニケ』サモトラキ島出土
名高い作品に心奪われてしまうミーハーっぽさが出ていますが、何度見ても『ミロのヴィーナス』も『サモトラケのニケ』も、素晴らしく美しくて、雄大で神々しさが溢れていました。
入場しておよそ3時間ぐらいでしょうか、もっと時間をかけて鑑賞したい気持ちもありましたが、次に予定していたオランジュリー美術館でも印象派の作品をゆっくり堪能したかったこともあって、後ろ髪を引かれつつ、ルーブル美術館をあとにしました。次にモナ・リザ様に再会できるのは、いつになるかな。
・ルーブル美術館(オフィシャルサイト)