【永平寺 参禅体験】其の参「3泊4日参禅ざっくりスケジュール」

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3泊4日の参禅体験、参加前は未知の世界ではありますが、事前にどんなことをするのかという心構えがあれば、少しでも心穏やかに参加できるかもしれません。私が体験してきた内容について、ざっくりご紹介できればと思います。

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■1日目
13:00 集合
13:10 はじめに(礼作法や座禅の組み方など)
15:00 応量器(おうりょうき)の使い方
17:00 薬石(夕食)
18:00 入浴
19:00 坐禅
21:00 開枕(就寝)

〔ざっくり感想〕
今回の参加者は、女性8名、男性8名、老若男女という顔ぶれでした。最初に、携帯等は預けるので、俗世との通信手段が絶たれます。女性は化粧を落とすように言われますので、スッピンでの参加となります。まあ問題なしということで…。
「応量器の使い方」は、食作法のことです。曹洞宗では、すべての日常生活を修行としていますが、特に「食」を大切にしているため、食作法は覚えることがたーーーくさんあります。その後、実際に食作法を思い出しながら、夕食をいただきますが、少し手順を間違えるとプチパニックになります。加えて、「正しい坐禅の姿勢を保つ」「物音を立ててはいけない」というご指導のもと、たくあんを噛むのも緊張します(ちょっと飲み込みましたし…)。でも、すべてが初めてのことなので、テンヤワンヤしながら、楽しみつつ体験させていただきました。この所作を美しく実践できるようになることも目標のひとつとして、残りの3日間を過ごすことになります。
そして、21:00就寝。初夜。緊張して眠れませんでした。翌朝3:00起床というのに…。

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■2日目
03:10 振 鈴(起床)
03:40 坐禅
04:30 朝課(法堂にて)
06:20 少食(朝食)→作務(掃除)
08:00 休憩
08:50 坐禅(止静→経行→坐禅)
10:00 食作法について講話
12:00 斎時(昼食)
13:40 坐禅
14:30 坐禅について講話
17:00 薬石(夕食)
18:00 入浴
19:00 法話(視聴覚研修)
21:00 開枕

〔ざっくり感想〕
よく眠れないまま、朝を迎えました。わざわざ寝不足になるために、夜行バスを選ぶんじゃなかった…と思いましたが、どうしようもありません。朝の1回目の坐禅は心穏やかでしたが、2回目に入ると強烈な睡魔に襲われました。「面壁(ぬんぺき)」といって、ひたすら壁に向かって坐禅をしますが、意識が朦朧とする中、壁に止まってる虫が少しずつ動いている…と虫を見ながら坐禅をしていたのですが、ハッとしたら、それは木目…。それほど追い込まれておりました。午後の坐禅については、気持ち新たに実践することができました。
また、本堂での朝課は、大本山永平寺の真髄を感じたようでした。こんなにも間近で体感できたことに、参禅体験に参加して良かったと心から思いました。厳かであり、清らかであり、力強くもあり、なんと表現したらよいでしょう。3日間も朝課に参列させていただけると思うと、ありがたくてなりませんでした。

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■3日目
03:10 振鈴(起床)
03:40 坐禅
04:30 朝課(法堂にて)
06:20 少食(朝食)→作務(掃除)
07:40 休憩
08:20 坐禅(止静→経行→抽解→止静→経行→止静)
11:40 斎時(昼食)
13:40 永平寺ダムへ散策
16:30 茶話会
17:00 薬石(夕食※参籠に参加されている方と一緒)
18:00 入浴
19:00 坐禅(止静→経行→抽解→止静→読経)
21:00 開枕

〔ざっくり感想〕
3日目を迎えた時点で、2人の女性が体調不良で下山されております。2日間でしたが、一緒に生活をして、参禅への気持ちを持って参加されていたので、残念です。慣れない生活では、体調を整えながら参加することも大事ですね。
初日からの課題だった食作法も2日目、3日目と実践して、少しずつ慣れてきました。ただ、作法だけでなく、全員が一斉に食べ終わらなければならないので、一度、最後になってしまったとき、たくあんを音を立てないで高速で噛むという技を手に入れました。人が人に合わせるということも大切な精神です。ちなみに、いただく精進料理はとても美味しいです。特にさつまいもご飯の塩加減が絶妙で、今でもまた食べたいなと思い出されます。
午後は永平寺ダムを散策するというレクレーションがありました。それは「其の四」で写真と一緒にご紹介します。そして、夜の長い時間の坐禅については、これが最後と思うと本当にあっという間でした。心を整えて、心を込めて、坐禅を行いました。

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■4日目
03:10 振鈴(起床)
03:40 坐禅
04:30 朝課(法堂にて※法堂献湯)
06:50 少食(朝食)→作務(掃除)
09:00 集合→感想書きタイム
10:30 解散

〔ざっくり感想〕
最終日の法堂の朝課は、「法堂献湯」という法要でした。御開山道元禅師らへの挨拶、そして、参禅の参加者、一般の方も参加されて、祖先を供養いただくというものでした。自分がここにいる巡り合わせ、この場にいられる有難さに感謝し、家族の平穏を祈りました。
3泊4日の参禅体験も終わりを迎えると、「まだ下山したくない」と思いました。素直な気持ちです。坐禅や食作法、永平寺での生活に少し慣れてきたタイミングだったので、もう少しこの生活を続けて、もっと何を感じられるか知りたかったと思いました。ご指導くださる雲水さんは大変ですけど…。すべての所作について、身体が自然と動くまでに成長しなかったのは、心残りでした。でも、教えていただいたとおり、日常生活のすべてが修行であるということでは、自宅に戻っても同じ気持ちで、実践し続けるということが大事なのですね。

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以上、参禅体験のざっくりしたスケジュールと感想でしたが、あくまでも、私が体験した内容のみで、記載していないものもあります。参禅体験が始まると、雲水さんが事前に細かく分刻みのスケジュールを示してくださるので、その場でしっかりご確認いただければと思います。

修行体験というと、「辛そう」とか「大変そう」という声を聞いたりしますが、私はそういったネガティブな感情が一切ありませんでした。足の痺れという身体的な痛みは伴いますが、毎回の坐禅で、痺れづらいベストポジションを探すのも面白かったです。今まで送ってきた生活の中では、当然、このような「日常」を体験したのは初めてでしたので、参禅体験させていただいた3泊4日は、ものすごく贅沢で、優雅な時間だったと振り返ります。

次の記事【永平寺 参禅体験】其の四「永平寺ダム散策」

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コメント

  1. ゆう より:

    参考になりました。
    女性2人が途中脱落したのですね。厳しい感じが伝わってきます。
    megさんは心身脱落しましたか?

    • meg より:

      脱落というより、慣れない生活での体調不良だったと思います。
      私には厳しいという感想はありませんでした。この記事にも書いていますが、参禅体験はとても贅沢な時間だったと振り返ります。
      3泊4日ではまさに「体験」で、もう少し長い期間、永平寺での生活から学びたかったというのが本心です。

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