ベルギーを代表するお酒といえば、やっぱりベルギービール!ベルギー国内には125もの醸造所が点在しています。銘柄数はオリジナル・ビールの780種類に、レーベル・ビールを含めて全1,053種類。スタイル別にみると、オリジナル・ビールが1,159種類、レーベル・ビールが388種類で合計1,547種類!!まさにビール王国です。(1997年のデータより)
そうした背景から、2016年には「ベルギービール文化(Beer culture in Belgium)」として、受け継がれてきた歴史やベルギービールを楽しむライフスタイルなどが評価されて、ユネスコの無形文化遺産に認定されました。今回は私がベルギーで飲んだベルギービールたちをまとめてご紹介します♪
◼︎ヒューガルデン・ホワイト(Hoegaarden White)
発酵方法:上面発酵/スタイル:ベルジャン・ホワイト/アルコール度数:4.9%
まさにホワイトビールの王道。ドラフトならではのきめ細かい泡、優しく白く濁った明るい黄色の液色、フレッシュな香りが飲欲を誘います。口当たりの良いフルーティな味わいに、程よい酸味が爽やかに口の中を駆け巡ります。この一杯のために…‼︎ ブリュッセルから本場ヒューガルデン村まで訪れてしまうほど個人的にも大好きなビールです。
◼︎ヒューガルデン・グランクリュ(Hoegaarden Grand Cru)
発酵方法:上面発酵/スタイル:スペシャルエールビール/アルコール度数:8.5%
「グランクリュ(Grand Cru)」とは、フランスワインの世界において、最上級のぶどうを産出する「特級畑」を意味する言葉。厚みのある色と味わいは、まさにスペシャルエールです。ヒューガルデン・ホワイトが小麦を使用しているのに対して、ヒューガルデン・グランクリュは大麦麦芽が使われています。液色はやや濁りのある濃いオレンジゴールド。アルコール度数も8.5%で飲みごたえがありますが、ヒューガルデンらしいフルーティな味わい、深みのあるコリアンダーやオレンジピールのスパイシーさも楽しめました。
◼︎ヒューガルデン・ロゼ(Hoegaarden Rosee)
発酵方法:上面発酵/スタイル:フルーツビール/アルコール度数:3.0%
ヒューガルデン・ホワイトの製法をベースに、フランボワーズの果汁を使用したフルーツビール。ベリー系の甘酸っぱさと爽やかなフルーティさ、優しい口当たりが特徴です。アルコール度数も3.0%で、ビールが苦手という人もカクテルを飲むように楽しめそうです。
ヒューガルデン村を訪れたとき、残念ながらヒューガルデン醸造所は休館していましたが、醸造所の歴史と地元のBARをご紹介しています。
・[ブリュッセル⇄ヒューガルデン] 【Hoegaarden】ベルギーを代表するホワイトビール生誕の地へ
ヒューガルデンロゼをドラフトで飲めるブリュッセルのレストランはこちら。
・【Drug Opera】美食の国で出会った夢の一皿(Brussels/ブリュッセル)
◼︎エスタミネ・プレミアム・ピルス(Estaminet Premium Pils)
発酵方法:下面発酵/スタイル:ピルスナー/アルコール度数:5.2%
ベルギービールにはめずらしいピルスナータイプのビール。フラームス・ブラバント州の北西、スティーンフッフェル村(Steenhuffel)にあるパーム醸造所で生産されています。もちろん専用タンブラーもピルスナー型。透明感ある黄金色に、フルーティーな香りが軽快で、キリッとした苦味も爽やか。日本人にも馴染みある味わいのビールではないでしょうか。
エスタミネ・プレミアム・ピルスとベルギー名物が楽しめるレストランはこちら
・【Chez Rini】ベルギー名物!ムール貝の白ワイン蒸しが美味しい魚屋さん併設のレストラン(Antwerp/アントワープ)
■ジュピラー(JUPILER)
発酵方法:下面発酵/スタイル:ペールラガー/アルコール度数:5.2%
ビール大国ベルギーで売上No.1を誇るビール。アンハイザー・ブッシュ・インベブ傘下のピードボーウフ醸造所で造られています。残念ながら流通は国内のみなので、ベルギーで飲むしかありません。エスタミネ・プレミアム・ピルスと同じくラガー系で、スッキリした喉ごしと爽やかでさっぱりした味わい。お風呂上がりにグビッと飲みたくなるようなビールです。
サッカーファンには、「勇気・自信・冒険」をブランドイメージとするジュピラーを冠した「ジュピラー・リーグ」のメインスポンサーとして知られています。
■レフ・ブロンド(Leffe Blonde)
発酵方法:上面発酵/スタイル:アビイビール/アルコール度数:6.6%
ベルギーの特徴的なビアスタイルのひとつ、「修道院ビール(アビイビール)」。レフブロンドもレフ修道院で醸造されたアビイビールの代表格です。液色はブロンズがかったゴールド。苦味と旨味のバランスが良く、豊潤な味わいの中にも、ベルギービールらしいフルーティーさが兼ね備えられた上質なビールという印象でした。輸入販売されているので、日本でも味わうことができます。
旅&お酒好きにとって、以前から親しんで愛着があるブランドが生まれた現地を訪れて、本場の空気を感じながらそのお酒を飲めたとき、限りなく幸せな気分になります。ベルギーを訪れた目的はいくつかありますが、間違いなくベルギービールはそのひとつと言えるでしょう。
ヒューガルデンが誕生した小さなヒューガルデン村を訪れたとき、残念ながら醸造所は休館でしたが、その歴史を肌で感じ、村にあるBARで地元の人たちと同じ空気を吸いながら、大好きなヒューガルデンを飲んだことは、とても素敵な思い出です。
初めて訪れたベルギーでしたが、ブリュッセルやアントワープのレストランでも「美食の国」を味わい尽くし、スペシャルなお皿とともに美味しいベルギービールを堪能できました。国外では流通していない銘柄もたくさんあるので、お気に入りのベルギービールを発見することも旅の楽しみになりそうですね。