961年頃、ラージェンドラヴァルマン王によって建立された「プレループ (Pre Rup)」。アンコール・ワットやアンコール・トムよりもさらに古いアンコール遺跡ですね。
プレループに関しては訪れる前にまったく予習できていなかったので、現地でお声がけいただいたガイドさんにお願いすることにしました。
正面にある塔門を抜けると、真ん中に石槽があります。この石槽では、死者を荼毘に付して、その灰で死者を描く儀式が行われていたのだそうです。つまりここは火葬場ですね。
プレは「変化」、ループは「体」を意味していて、火葬の儀式を名前の由来としています。石槽には小さなお花が咲いていて、輪廻の考え方、命の生まれ変わりを感じました。
そして、石槽の先には、見上げるほど立派な3階層からなる基壇が重ねられています。
このプレループをはじめとして、アンコール遺跡が開放されて、間近に感じられることは嬉しいですが、どこに行っても階段が急です。冗談ではなく、何かの弾みで落下したらと思うと、命まで落とす不安がよぎります…。
上まで登ると四方には祠堂があって、女神や動物のレリーフが残されていました。アンコール・ワットやアンコール・トムのレリーフと比較すると、さらなる年月の流れが伝わります。
中央にはさらに基壇が重なって、祠堂が聳え立っています。そのまわりにはヒンドゥー教のシバ神を守護するという獣神シンハの像が頼もしくあります。
私は午前中にプレループを訪れましたが、夕日とアンコールワットが見られる場として、人気のスポットとのこと。くれぐれも足元に気をつけて、階段を登っていただけたらと思います。
最後にガイドさんが撮影してくれた一枚。火葬場とともに…。