アンコール・トムの中にあり、バイヨンの北西に位置する寺院「バプーオン(Baphuon)」。11世紀中頃、ウダヤーディチャヴァルマン2世によって築かれた3層からなるピラミッド型寺院です。
バイヨンからバプーオンに向かう前、まずはアンコール・トム全体の地図を確認。
バイヨンのすぐ脇に「Preah Ngok Pagoda」があって、そこに大きな仏像が見えたので、お賽銭をして、拝ませていただきました。
5分ぐらい歩いていくと、静かな木々の中にバプーオンの姿が見えてきます。
東塔門から「空中参道」と呼ばれる約200mの長い参道が続いています。地上と天界をつなぐ虹の架け橋という意味も持っているのだそうです。参道を渡って、バプーオンに近づくと、その大きさに迫力を感じました。高さ34メートルで、かつてはバイヨン寺院よりも高かったとのこと。
すでにバイヨンにいた時点でそうでしたが、バプーオンまで移動してきて、直射日光にさらされて汗ダラダラ…。上を見上げて悩みましたが、せっかくなので登ることにしました。
いざ階段の下に来ると、暑さや体力どうこうより、怖い…。日本だったら安全面でNGなのでは…と思わせるぐらい急な傾斜の階段でした。
階段を登って、いよいよ一番上まで来ると、見晴らしが良く、歩いてきた参道も見えました。さらに太陽に近づきましたが、風が吹くと、暑さを忘れて(一瞬だけ)気持ち良かったです。
バプーオンという名前は、「隠し子」という意味だそうで、カンボジアとシャムの争いの中で、王子をこの寺院にかくまったという伝説があるのだそう。
その昔、シャムの王とカンボジアの王は兄弟だった。ある時、シャムの王は自分の子供をカンボジアの王に預けたいと申し出て、カンボジアの王も喜んでその申し出を受けた。しかしカンボジアの廷臣たちは「これはシャム王の謀略」と反対し、王子を殺してしまった。これに怒ったシャム王はカンボジアに大軍を進攻させた。その時カンボジアの王妃が自分の子供をこの寺院に隠した。
歴史的建造物を訪れるとき、その謂れや伝説を知っている方が何倍も楽しめますね。事前チェック、大事です!
さて、帰りは上りと逆側の階段を降りて、バプーオンの裏側を通ることになります。さらに体力を消耗するのね…と思いつつ、再び急な階段を降りていきました。
すると、西側の壁面に大きな寝釈迦像のレリーフが!
幅約70m、高さ約3,5mもありますが、シルエットがぼんやり浮かんでいる程度なので、注意深く歩いていないと気がつかなかったでしょう。でも上まで登らなかったら見ることもできなかったので、がんばって良かった!遺跡巡りって、なかなかの運動量ですね。
トゥクトゥクの運転手さんとの待ち合わせ時間を気にしつつ、広いアンコール・トムの散策を続けました。