フランクフルトの街歩き〜秋に色づく景色を眺めて〜

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フランクフルトを訪れたのは、10月下旬でした。1週間の滞在中には、観光スポットを巡りながら、ただ街をのんびり歩くことも。日本への一時帰国から再びヨーロッパに戻って、秋に色づくフランクフルトの景色を眺めながら、一人旅が再開したことを実感していました。

フランクフルトを最初に訪れたとき、歴史的な石造りの建造物と近代的な高層ビルが混在している街並みに驚きました。ヨーロッパというと、景観保護されたパリ中心部のようなイメージがあったので、あらためて、フランクフルトが国際金融の中心地で、経済的な側面からの世界都市であることを実感しました。

まさに世界経済の中心地を象徴する「欧州中央銀行(European Central Bank)」の「ユーロマーク」の大きなオブジェは、フランクフルトの見どころのひとつ。以前、欧州中央銀行の本店は背景に聳えるユーロタワーにありましたが、2014年に同じフランクフルト市内のオステンド地区に建設された新本店ビルへと移転しました。

ユーロタワー下に広がる公園「Gallusanlage(ガルスアンラーゲ)」。宿泊していたホステルからも近く、いつも旧市街方面に行くときには、このガルスアンラーゲを通っていました。

同じ公園に、ヨーハン・クリストフ・フリードリヒ・フォン・シラー(Johann Christoph Friedrich von Schiller)の像が清閑に佇んでいます。文豪ゲーテ(Goethe)と並ぶドイツ古典主義を代表者する詩人、劇作家、思想家であり、シラーの作品の根底に流れる「自由」を求める不屈の精神は、ドイツ国民の精神生活に大きな影響を与えたと言われています。

マイン川沿いものんびりと散歩した場所のひとつです。

ひっそりとマイン川沿いを走る線路。1913年まで現役で稼働していましたが、現在は年に数回、当時の機関車を走らせるイベントが開かれているそうです。

トンネルの奥に見える「聖バルトロメウス大聖堂」(通称「カイザードーム」)

フランクフルト市内を広範囲で走行するトラム(路面電車)は、地元の人はもちろん観光客も便利に使える交通手段のひとつです。下の写真でトラムと平行している建物は、現在のオペラ座、歌劇場としての役割を果たす「フランクフルト歌劇場(Oper Frankfurt)」。

フランクフルト歌劇場から少し離れたところに、かつてのオペラハウス「旧オペラ座(Alte Oper Frankfurt)」があります。1880年の完成以降、著名なオペラが次々に上演されましたが、第二次世界大戦中の空爆によって廃墟となりました。その後、外部は忠実に元の姿で復元されて、現在はコンサートホールとして使用されています。

旧オペラ座の近くにある公園「Bockenheimer Anlage(ボッケンハイマー アンラーゲ)」も好きでよく散歩した公園のひとつです。

フランクフルトの印象は、歴史と近代が共存している街。それは私が生まれ育った東京を思い出す街並みでもありました。少し前に、100年前の姿に復元されたJR東京駅の丸の内駅舎が話題になりましたが、丸の内には皇居があり、門や掘には旧江戸城の名残が感じられる一方、そこからは数々の近代的な高層ビルを眺めることができます。

ドイツと日本。ともに第二次世界大戦の敗戦国でありながら、奇跡のような復興を遂げて、経済大国になってきた歴史があります。もちろん、双方の性格や抱えている問題の違いはありますが、このフランクフルトの景色を眺めながら、東京の景色を重ねて、歴史的建造物を再建する技術と同様に、近代的な高層ビルの建設もまた復興のシンボルであり、戦後のアイデンティティのようにも感じられたのでした。

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