「Irish Whiskey Museum」でアイリッシュウイスキーの魅力を学ぼう!

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アイルランドの長い歴史の中で、大切な文化として継承されてきたアイリッシュウイスキー。そうしたアイリッシュウイスキーの伝統と歴史、味わいまで楽しく学ぶことができる「Irish Whiskey Museum(アイリッシュウイスキー博物館)」がダブリンの中心地にあります。

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Irish Whiskey Museumは、ギネスストアハウスやオールドジェムソン蒸溜所のように大きな建物ではないので、遠目からは見つけづらいですが、ダブリンの人気観光スポットでもあるトリニティカレッジの正門から目と鼻の先の場所にあります。観光プランにも組みやすい便利な立地ですね。

エントランスから2階へ上がって、レセプションでチケットを購入します。3種のアイリッシュウイスキーをテイスティングする「クラシックツアー」は大人16ユーロ、そこに10年以上熟成されたウイスキーのテイスティングが追加された「プレミアムツアー」が大人19ユーロで、さらにテイスティンググラスを持ち帰ることができます。

熟成度の高いウイスキーのテイスティングは魅力的でしたが、ツアーガイドは共通ということだったので、クラシックツアーにしました。

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いよいよツアーのはじまりです。まずは映像とともにウイスキーの起源を学びます。案内してくださったガイドさんは、演出に収まりきらないぐらい情熱的なウイスキー好きオーラが出ていて、臨場感たっぷりにお話をしてくれました。

12〜13世紀にかけて、スペインの錬金術師アルノーという人物が、ワインを蒸溜したときに生まれた酒(ブランデー)をラテン語で「aqua vitae(アクア・ヴィテ、“生命の水”の意)」と呼びました。この「aqua vitae」がゲール語の「uisce beatha(ウシュク・ベーハー、“生命の水”の意」に訳されて、ウイスキーの語源になったと言われています。

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伝承によると、6世紀に中東を訪れたアイルランドの修道僧が、香水を作るために用いられていた蒸留技術を持ち帰り、それを酒造に応用したという説があります。

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一方、蒸溜工程を必要とするウイスキーづくりは、古代から中世にかけて研究された「鉄や鉛などを金に変える技術」などに代表される「錬金術」に深い関係があったとされて、ゲール族の移住とともに錬金術のひとつの分野として、蒸溜技術が錬金術とともに各地に広まったのではないかとも言われています。

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もともとウイスキーはヨーロッパの古い蒸留酒のひとつと考えられていて、アイルランドとスコットランドのどちらが発祥の地なのかは明らかになっていませんが、「ウイスキー」という名称が歴史上はじめて文献に登場したのは、アイルランドでした。

続いて、素敵なバーカウンターのあるお部屋へ。もうウイスキーのテイスティングするの?と思いましたが、こちらはまだツアーの途中でした。

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壁に掛けられているフレームには、アイリッシュウイスキーの歴史に関わり深い人たちが描かれていて、ギルべガンやジェムソン、ブッシュミルズなどアイリッシュウイスキーを代表するブランドについて、当時の様子を語ったり、お互いに会話をしたりします。

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このあとは、また次の部屋に移動して、20世紀以降から現代のウイスキー市場の説明がありました(説明を聞き取るのに必死で写真を撮り忘れる…)。

アイリッシュウイスキーが世界のウイスキー市場の6割を占めた時期もありましたが、1919年、主要な輸出先だったアメリカで禁酒法が実施されると、多くの蒸留所が閉鎖されて、大手の蒸留所は醸造を控えるようになりました。そして、アメリカでは密造された品質の悪いウイスキーにアイリッシュウイスキーのラベルが貼られるなど、次第にアイリッシュウイスキーの評判は落ちていきました。

さらに、アイルランド内戦で経済力が低下すると、多くの蒸留所が閉鎖される苦しい時代が続きます。その後、アイルランドは独立しましたが、報復としてアイリッシュウイスキーはイングランドとその植民地から締め出しを受けました。続く第二次世界大戦では国内の供給を確保するために輸出が制限され、戦場のアメリカ兵にはスコッチウイスキーが配給されたため、アメリカではスコッチウイスキーがメジャーになりました。

1966年、ジョン・ジェムソン(John Jameson)とジョン・パワー(John Power)、ミドルトンを中心とする南部のCDC(コーク・ディスティラーズ・カンパニー)が合併して、IDC(アイリッシュ・ディスティラーズ・カンパニー)が設立されました。1971年にはブッシュミルズがIDCに加わってIDG(アイリッシュ・ディスティラーズ・グループ)が誕生。1980年代初めに操業している蒸溜所はミドルトンとブッシュミルズの2つのみとなりましたが、1987年にクーリーが操業を開始、2007年に閉鎖していたキルベガンが操業を再開して、現在は4つの蒸溜所でアイリッシュウイスキーが造られています。

ガイドさんは最後に、今はウイスキーの需要が高まっているので、アイルランドでは蒸溜所が増えるだろうと説明してくれました。そして、リッチな日本のサントリーが大金でビーム社を買収したので、クーリー蒸溜所はサントリー傘下になったと付け加えました(ちょっとディスられた感じ…)。

ツアーの最後はいよいよテイスティングです。説明は案内してくれたガイドさんからテイスティングのマスターに代わります。

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テイスティングするアイリッシュウイスキーのラインナップはこちら。
1. Powers Gold Label(パワーズ ゴールドラベル )
2. Teeling Small Batch(ティーリング スモールバッチ)
3. The Irishman Founder’s Reserve(イリッシュマン ファウンダーズ・リザーブ)
4. Knappogue Castle 12 Year Old Single Malt(ナッポーグ キャッスル 12年 シングルモルト)※プレミアムツアー参加者のみ

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1. Powers Gold Label(パワーズ ゴールドラベル)
伝統的あるジョン・パワー社のウイスキーで、現在はミドルトン蒸溜所で醸造されています。3回蒸留した後、アメリカンオーク樽で7年以上熟成させて、グレーンウィスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキー。アイルランド国内では「ジェムソン」ではなく「パワーズ」が最も飲まれているウイスキーとのこと。しっかりした麦芽の香味がありつつ、ほんのりハチミツのような甘みとスパイシーさもありました。

2. Teeling Small Batch(ティーリング スモールバッチ)
2012年に創業したティーリング・ウイスキー社(1987年にクーリー蒸溜所を創業したティーリング・ファミリーのジャック・ティーリング氏が設立)がフラッグシップとしてリリースしたウイスキー。モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンド後、ラムカスクで熟成したブレンデッドウイスキーです。バニラとスパイシーさ、ラム特有の甘みと香りが上品な印象。ラム好きとして、とても魅力的なウイスキーに出会えました。

3. The Irishman Founder’s Reserve(アイリッシュマン ファウンダーズ・リザーブ)
ウイスキー、リキュールを製造するホット・アイリッシュマン社製。創設者のバーナード・ウォルシュによってつくられるこのウイスキーの特徴は、ともに3回蒸留した70%のバーボン樽熟成のシングルモルトウイスキーと30%のシングルポットスティルウイスキーをブレンドしていること。ロンドンで開催されるISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)では金賞を受賞しています。キャラメルのような香りと熟した果実のような甘みにスパイシーさもあり、余韻が長く続きます。3種をテイスティングして、私はこちらがお気に入りでした!

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“Hmm.Too strong?”という映像も。しっかりテイスティングノートを確認するために、マスターは水でウイスキーを希釈しながら、テイスティングすることをおすすめしてくれました。

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ガイドさんの情熱が伝わってきて、期待以上にとっても楽しいツアーでした!ウイスキーを愛している人のお話って本当に面白いんですよね。テイスティングのウイスキーも面白かったです。ダブリンの中心部にこうしたミュージアムがあることに、アイリッシュウイスキーを誇りとしていることが感じられて、なんだか嬉しくなりました。

2011年にスコットランドで蒸溜所巡りをしたとき、エディンバラで「The Scotch Whisky Experience」というミュージアムを訪れて、衝撃を受けたことを思い出しました。乗り物に乗ってスコッチウイスキーを楽しく学ぶことからスタートするツアーは、日本語の音声ガイドもあって、まるで大人の遊園地のようでした。そのアトラクションの後は、ガイドさんがビジュアルで分かりやすくスコッチウイスキーを説明してくれて、テイスティングも体験できて、ウイスキー好きには夢のようなミュージアムだったのです。

Irish Whiskey Museumは、2014年にオープンしたということですから、今の世界的なウイスキーブームの流れもあって、”ウイスキーの原点はスコッチではなく、アイルランドだ!”という想いも込められているのかな・・・と勝手な想像をしてしまいました。

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知れば知るほど、アイリッシュウイスキーの魅力にハマっていく私。ダブリンで素敵なウイスキー体験をして、続く北アイルランドへの旅がますます楽しみになったのでした。

Irish Whiskey Museum(オフィシャルサイト)

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