【OLD JAMESON DISTILLERY】Vol.2「受け継がれるジェムソンのウイスキーづくり」

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ダブリン市街をお散歩しながら、オールドジェムソン蒸溜所/ジェムソン旧蒸溜所(THE OLD JAMESON DISTILLERY)に到着して、いよいよガイドツアーのスタートです。

※オールドジェムソン蒸溜所は、2016年9月から2017年3月(St Patrick’s Day)までリニューアルのため閉鎖されています。

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ガイドツアーは、大きなスクリーンでの映像鑑賞からスタート。アイリッシュウイスキーの歴史、創業者のジョン・ジェムソン(John Jameson)のウイスキーづくりにかける情熱、継承される想いやウイスキーづくりの技術などが紹介されました。

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続いて、ウイスキーづくりの工程を見学していきます。先に訪れたギネスストアハウスは現代的で面白みのある展示構成になっていましたが、ジェムソン蒸溜所は長年熟成されたウイスキーのような歴史や伝統を重んじるように感じました。

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ブレンデッドウイスキーのジェムソンの主原料は、大麦とトウモロコシと水です。大麦の供給元はすべてミドルトンの半径約160km以内にある農家で、何世紀にもわたって大麦を生産しています。トウモロコシはアイルランドでは育たないため、遺伝子組み換え品種ではなく、ジェムソンの製法に適したトウモロコシをフランス南部の農家から輸入しています。

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はじめに製麦(malting)の工程から。原料の大麦を浸水して、発芽させ、乾燥させて、麦芽をつくります。ジェムソンでは、滑らかで自然のままのスモーキーではない味わいを確保するために、密閉炉でじっくり時間をかけて乾燥します。

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続いて、製粉(milling)の工程へ。ジェムソンは世界でも数少ない、発芽した麦芽と未発芽の麦芽を使ったウイスキーです。発芽した麦芽と未発芽の麦芽をグリスト(grist)と呼ばれるきめの荒い状態に粉砕します。その後、グリストは糖化(mashing)の工程へと進みます。

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糖化(mashing)の工程では、粉砕した麦芽(grist)糖化槽(mash tun)に入れて、温かい仕込み水と混ぜ合わせます。

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このとき、麦芽に含まれる酵素の働きでデンプン質は糖分に変わって、糖化液(mash)になります。これをろ過して、発酵(fermentation)の工程にむかうための麦汁をつくります。

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ろ過した麦汁を発酵槽(washback)に移して、酵母を加えて発酵(fermentation)していきます。約60時間を過ぎると、酵母のはたらきによって、麦汁中の糖分が分解され、アルコールと炭酸ガスに変わり、ウイスキー独特の味わいや香気成分がつくられます。これでできた発酵液を「もろみ/ウォッシュ(wash)」と呼び、アルコール分は約8%です。

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ここまでの工程は、ギネスストアハウスでも見学したビールの醸造工程と同じように進んできましたが、次の蒸溜(distillation)の工程からは、ウイスキーや焼酎など蒸溜酒ならではの製造方法へと進んでいきます。

通常、モルトウイスキーは「ポットスチル(Pot still)」と呼ばれる単式蒸溜器で2回蒸留しますが、アイリッシュウイスキーの大きな特徴は、蒸留を3回繰り返すこと。創業者であり、マスターディスティラーのジョン・ジェムソンは、3回目でジェムソンの滑らかさが倍増して、理想的なウイスキーに仕上げられることを発見しました。歴代のマスターディスティラーは、先代から受け継いだ製法を守り続けています。また、ジェムソンはアイリッシュ単式蒸留ウイスキーとグレーンウイスキーのブレンドなので、その両方とも3回蒸留しています。

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発酵の工程でつくられた”もろみ”を銅製のポットスチルに入れて、3回蒸溜して、アルコール濃度を高めていきます。このとき生まれたばかりのウイスキーは、まだ無色透明の「ニューポット」と呼ばれるモルト原酒です。日本の山崎蒸溜所や白州蒸溜所では、基本的に2回蒸溜ですが、ポットスチルの形や大きさ、蒸溜方法や加熱方式を変えることで、多彩なモルト原酒がつくられていますね。

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ニューポットは、いよいよ熟成(maturation)の工程へ。無色透明だったニューポットは樽(cask)の中で長期間じっくり熟成されることで、美しい琥珀色のウイスキーへと変わっていきます。 また、アイリッシュウイスキーを名乗るためには、アイリッシュウイスキー法(Irish Whiskey Act)によって熟成期間が厳密に定められています。

木製の樽において
⑴国内の倉庫において3年以上、もしくは
⑵北アイルランド内の倉庫において当該期間、または
⑶国内および北アイルランド内の倉庫において合計3年以上の期間
熟成されたものとする。

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ジェムソンの樽の多くは、アメリカとスペインから、バーボンやフォーティファイドワインの熟成に使われた古樽です。長期間熟成することで、焦がした木やバニラ、シェリーの甘い香りなどを持つ樽の個性がウイスキーに移っていきます。

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熟成の過程で、樽詰されたウイスキーは1年間に約2%が蒸発して減ってしまいます。これは「天使の分け前(Angel’s Share)」と呼ばれていて、天使たちが飲みに来ているのだと説明されました。熟成することで、ウイスキーの味わいや香りが深まるからという感謝の気持ちが込められた表現ですが、世界の蒸溜所で共通しているのが素敵ですね!

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ガイドツアーの最初に映像で紹介されましたが、ジェムソンのボトルに描かれた紋章の中にある言葉「SINE METU(シネ・メトゥ)」。この言葉は、ジェムソン一族の家訓で「恐れ知らず」という意味を持っています。1780年の創業以来、ジェムソン蒸溜所には「SINE METU」の精神を体現しながら、継承されてきた情熱を追求し続ける歴史がありました。

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ジェムソンのウイスキーづくりを学んだあとは、お待ちかねのテイスティングです。

Jameson Irish Whiskey(オフィシャルサイト)
JAMESON(ペルノ・リカール・ジャパンのサイト)
【THE OLD JAMESON DISTILLERY】Vol.1「オールドジェムソン蒸溜所へ行こう!」

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