バガン遺跡「ティーローミンロー寺院」荘厳な3層構造の大寺院

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パガン王朝後期の大寺院のひとつとして数えられる「ティーローミンロー寺院(Htilominlo Temple)」。1218年、パガン王朝第8代国王ナンダウンミャー(Nadaungmyar)によって建立されました。高さ約46メートル、3層の構造を持つ荘厳な寺院です。

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ナンダウンミャーの父親で第7代国王だったナラパティシードゥー(Narapatisithu)は、白い傘を真ん中にして、その周りに5人の息子たちを並ばせ、倒れた傘がそのうちの一人を示したとき、その息子を次の王とすると決めていました。すると、その傘は傾いて、ナンダウンミャーを示したため、次の王に選ばれたと言われています。

ビルマ語による王統史には、ナンダウンミャーはティーローミンローと記されていて、その名前の意味は、「王になるように傘が望んだ者」。寺院もその名前に由来し、建立された場所もまた、ナンダウンミャーが王として選ばれた場所とされています。

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ティーローミンロー寺院は、30年前に建立されたスラマニ寺院に近い様式のレンガ建築で、元々は白いスタッコ(化粧しっくい)が塗られていました。今もまだ寺院内のいくつかの場所には残っていて、複雑に彫られたスタッコの中には、マカラ(インド神話に登場する怪魚)のような神話の動物や怪物の描写を含んでいます。

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寺院全体は対称の設計ですが、東側の入り口のポーチだけ、他の3箇所より拡張して建造されています。大きな立方型の基壇とその上に重なる階層部には、それぞれ3つのテラスがあり、テラスすべての角には、小さい仏舎利塔が建てられています。

また、北インドをルーツとしている装飾的なタワー “シカラ(sikhara)”があり、金色に塗られていない以外は、アーナンダ寺院と同じ様式です。さらにトップは、尖塔装飾品である「hti(ティ)」が飾られています。

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寺院内には、4体の大きな黄金の仏像が、それぞれ東西南北を向いて安置されています。
仏教を描写した美しい壁画やフレスコ壁画も見られますが、かなり色褪せてしまっているものも多いです。

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ちなみに、最後の仏像の前にある旗は「仏旗(ぶっき)」という仏教を象徴する旗で「六色仏旗」とも呼ばれています。一色が橙でなく、ピンクなのが可愛らしくもあり。
以下、メモとして。(Wikipediaより)

左から青、黄、赤、白、橙、そして一番右の列には5色を上から順番に並べた縞模様となっており、それらの色にはそれぞれ意味が込められている。
青は仏陀の頭髪の色で、「定根」をあらわす。
黄は仏陀の身体の色で、「金剛」をあらわす。
赤は仏陀の血液の色で、「精進」をあらわす。
白は仏陀の歯の色で、「清浄」をあらわす。
樺(橙)は仏陀の袈裟の色で、「忍辱」をあらわす。
残りの1色は「輝き」をあらわし、旗の6列目には独自の色は配されず、他の5色を上から順に並べた縞模様で表現される。

回廊には壁龕が造られ、小さな仏像が安置されていました。

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1975年のバガンを襲った地震によって大きく破損しましたが、その後、復元されました。現在は、浸食から寺院を保護するため、テラスは閉じられて、2階に上がることはできません。
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寺院の荘厳さにバガン建築の発展の高まりを見つつ、ナンダウンミャーの死後、パガン王朝が滅亡へ向かっていく寂しさを同時に感じたのでした。

Htilominlo Temple(Wikipedia)

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